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言語によって文章の長さが変わるので、レイアウトが崩れる

例えば、「広告」という単語は、英語だと「advertisement」、ベトナム語だと「quảng cáo」です。日本語なら2文字ですが、英語なら13文字、ベトナム語だと8文字と大きく長さが変わります。特に日本語や中国語は他の言語より、テキストが短くなる傾向があり、ということは他の言語だともっと長くなります。日本語だと綺麗に収まっていたキャッチコピーなども他の言語にすると、とても長くなってレイアウトが崩れますので、各言語ごとに調整が必要です。

 

日本語フォントは他の言語よりも大きくなる

英語フォントと同じ大きさでそのまま日本語フォントに変換すると、基本的には日本語が大きく表示されます。こちらも英語フォントで綺麗なレイアウトだった場合、日本語にすると文字が大きくなって、何か間抜けな印象を与えるデザインとなります。多言語サイトの場合は各言語ごとにフォントの大きさを調整する必要があります。

 

Webフォントで使用する場合は有料になるフォントがある

これは日本語フォントにも言えることですが、英語フォントでもデザインソフトで気軽に使用しているフォントがWebフォントで使用しようとすると有料でしか使えない場合があります。デザインしている時には気付かず、お客様に提案して、コーディングの時に気付く場合があるので、注意しましょう。

 

言語が増えるとCMSは複雑になる

ワードプレスなどのCMSでページ(記事)を管理する場合、言語の数だけ、CMSの記事数も増えます。例えば、日本語、英語、ベトナム語の3言語であれば、ニュースの1記事に対して、管理画面では3つの入力画面が必要です。

また、ちょっと専門的ですが、管理画面で1つの記事に対して3つの言語の入力欄がある場合と、1言語1記事として、1つの記事に3つのバラバラの記事にする場合があります。

1つの記事で3つの言語の場合、記事の管理はしやすいですが、記事の公開の時に全言語を用意する必要がありますし、どの言語も全て同じ記事となります。1言語1記事の場合は、各言語一斉に公開する必要もないですし、各言語ごとの記事を作ることが可能ですが、記事数がとても増えるので管理は大変になります。

 

言語が増えるとWebサイトの更新が大変になる

1言語の場合だとWebサイトの更新はスムーズにいきます。仮に2行のテキストを追加するだけなら、すぐに終わります。しかし多言語サイトになると、各言語で文章を用意する必要があるので、1つの修正が2倍、3倍の手間となっていきます。また、CMSでニュースを追加するのも、日本語だけであれば簡単ですが、毎回各言語分も用意する必要があるので、日本語のみの時よりも更新の手間は大きく膨らみます。

 

各言語のlang属性をしっかり指定する

多言語サイトを作る際、ただ各言語のページを用意するだけではなく、言語ごとの「lang属性」を指定する必要があります。例えば、日本語なら <html lang=”ja”>、英語なら<html lang=”en”>となります。これを知らないコーダーがコーディングした場合、「lang属性」を指定していない場合があるので、注意しましょう。

 

相互文化を理解している翻訳者、翻訳会社を利用する

10年以上前からアライブは多言語サイトを制作してきましたが、初期は「翻訳はどこでも同じ」という思いで、できるだけ安い翻訳費用で行おうとしました。

一度フィリピンの翻訳会社を利用しました。英語のダブルチェックをしないまま、そサイトを公開しましたが、その後にネイティブがサイトを見た時に「全くおかしい英語の文章になっている」と指摘されました。次はちゃんとした翻訳会社に頼みましたが、その場合は日本語を渡して翻訳文が納品されるのですが、それでも「翻訳がおかしい」と言われました。

それからは、ネイティブの友達で、日本と英語をしっかり理解している翻訳者に頼むことにしました。その場合、「この文章が意図することはなんだ?」と質問を受けながら翻訳をしましたが、その場合はとても良い翻訳となりました。

今は弊社内で翻訳ができる体制を整えていますが、この場合でも相互文化を理解していることを前提としています。各言語ごとに特有の表現や言い回し、固有名詞があるので、それを知らずに翻訳をしてしまうと、少しズレた翻訳となってしまいます。「ネイティブだから大丈夫」「翻訳会社だから大丈夫」と思わず、相互文化を理解し、コミュニケーションを取れる翻訳者を利用しましょう。

 

キャッチコピーなどを直訳しない

キャッチコピーを翻訳する時、翻訳としては間違っていないけれど、ネイティブにはよく伝わらない場合があります。キャッチコピーは、その文化的要素が多分に含まれるため、「その言語の文化だから理解できる」場合が多くあります。ですので、キャッチコピーは直訳せずに「このキャッチコピーは何を意図しているのか?」を翻訳者に伝え、別の表現にしていくとより良い翻訳になります。

 

翻訳する文章が日本人向けになっていないか

翻訳する文章が、日本のマーケット向けや日本人向けであった場合、それを翻訳してもネイティブには刺さらない文章になる可能性があります。そのサイトから色々な国の人から売上を作っていきたい場合は、その言語の人たちに合わせた翻訳(もしくは新たに文章を作る)ことが望ましいです。

 

各言語サイト同時リリースは難しい

今までクライアントから「各言語同時リリースしたい」と要望をもらったことがありますが、成功したことはなく、ほとんどのケースでまずは1つの言語をリリースしてから、その後に多言語リリースとなりました。同時に各言語のページを作ると、修正が入った時に全部の言語のページを修正しなければならなくなり、無駄が多く発生するためです。

基本的にはまず一つの言語でサイトを完成させてから、その後で他の言語を進めていく場合が多いので、どうしても全言語リリースとなると、公開が大きく遅くなってしまいます。また、クライアントのチェックも言語の数だけ増えます。例えば1言語10ページだとしても、3言語であれば30ページ分の確認作業となります。

クライアントが翻訳文章を用意するのも時間がかかることが多く、結局は「1言語をリリースした後で、多言語化する」に落ち着きます。アライブとしても、まずは1言語をリリースしてから、多言語サイトにしていくことをお勧めしています。

 

最後に

これはアライブが実際に多言語サイトを作った上での、多言語サイト制作の注意点となります。多言語サイトを作ったことがない制作会社だと上記のことを理解、体験していないため、打ち合わせの段階では「翻訳するだけなので、制作は可能です!」というかもしれませんが、制作していく中で、さまざまな困難が発生する場合があります。

アライブは今まで多数の多言語サイトを作ってきましたし、社内にも翻訳チームが在籍し、デザイナーと密に連携しながら翻訳を進めていくので、クオリティの高い翻訳と多言語サイトが可能です。多言語サイトを制作する際は、ぜひアライブにお声がけしていただければと思います。

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